木造ピアノ教室・ヴァイオリン防音室(夜間演奏)

木造防音室の新築計画から完成まで

新築住宅の基本構造と防音計画

新築設計が固まる前から各専門会社が依頼者に提案するところから計画が始まりました。

他の業者は床下にコンクリートを増打ちする工法で床下換気を遮断し、湿気がたまるリスクが問題になりましたが、私の提案は新築業者が得意な床下換気工法を採用しました。

 

防音構造の薄さと工法が採用の決め手

木造を活かしながら出来る限り薄い防音で夜間演奏できる提案内容が評価されました。

D-60の設計内容と、私の木造防音室の実績が信頼され、私の専属施工チームが完成まで担当する約束で契約をしていただきました。

*防音壁の厚さは90ミリ弱です。

 


新築計画・防音設計

新築住宅業者の設計内容が決まる前から、木造の寿命と安全性を重視した音響・防音設計を提示しました。

 

グランドピアノとヴァイオリンを夜遅くまで演奏できる遮音性能とバランスのとれた音響仕上げを考慮して、杉板フローリングや木製軟質シージング板など防音材と相性の良い構成を計画しました。

*石膏ボードは防音構造には一切使用しませんでした。

新築中のコンサルティング

新築業者の施工担当業者から竣工後に適正に防音室の工事へと引き継ぎ出来るように、新築工事の概成段階から現場をチェックして修正しました。

*新築業者が床下地の高さなどを間違えた時も私がチェックして正しました。

 

また、内窓の防音効果を高めるために、新築中において、窓の額縁の奥行きをチェックして提案するなど、契約者(施主であるプロのピアニスト)の目の前で提示しました。

防音工事・ピアノ室の完成

私の音響・防音設計の内容とコンサルティングを大変評価していただきました。

専属施工チームの防音工事も丁寧に遂行し、完成後には、夜間でも戸外には殆ど音漏れが聴こえず、依頼者からはヴァイオリンだけでなく、ピアノも24時間演奏が出来ると、大変喜んでいただけました。

 

業務完了後にピアノの音響チェックを行い、重低音の調整を簡単なDIYで行いました。

*ポリエステルクッション(市販品)の活用


ピアノ防音室完成後の依頼者の感想(24時間演奏出来る事に大満足)

このピアノ教室(防音室)が完成して、音響チェックが完了したあと、依頼者(プロのピアニスト)から次のように言われました。

 

「新築の計画段階で、色々な専門業者に見積りや提案を依頼しましたが、どこの業者も天井や床・壁が驚くほど分厚くなる設計で、とても受け入れることができませんでした。それに遮音性能はD-50ということで、夜遅くのピアノ演奏は無理でした。

しかも、床をコンクリートで造るなんて、木造の新築なのに意味が分かりません。(床下換気をつぶすと建物の寿命が短くなることを、あとで防音職人さんや大工さんにお聞きして、驚きました。)

 

そこで、地元に専門業者が居ないのかと探しましたら、私の出身の国立音大の付属小学校・中学・高校の近所に「防音職人」さんが営業されているのを見つけました

そして、木造の長所を生かした薄型防音の提案に目から鱗のような感じで、詳細をご説明いただき、ヴァイオリンが得意な主人と一緒に納得して契約した次第です。

石膏ボードを使わない構造や今まで提案されたことのない防音材を含めて、他の専門業者とは全く違う設計内容に驚きました。

 

新築業者が間違えた床の状況を、中間チェックで防音職人さんが指摘され大事に至らなかったのは本当に幸いでした。新築業者の営業担当や建築士は全く気づいておらず、新築業者にはがっかりしましたが、職人さんそのものは皆さん真面目に丁寧に施工していただいたと思います。

 

完成後の防音効果には、正直ここまで音漏れがないということで、期待以上の出来栄えになり非常に嬉しいです。今まで音漏れにビクビクしていたのですが、これからは何も心配しないで夜遅くというか、24時間ピアノ演奏ができる喜びでいっぱいです。

竣工祝いにワインまで頂戴しまして、ありがとうございました。」